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Dr.篠田のブログ

臼歯部咬合再建に苦労した1症例:スタディグループ救歯会例会

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 毎月第一水曜日(時々変更があります)はスタディーグループ救歯会の例会に参加しております。月1回、分野を限らず包括的な歯科医療の症例検討会をしています。当日の診療は4:30までとなりますので、患者様にはご迷惑をおかけいたします。

2014 / 10 / 1 は以下のテーマで4人の演者が発表しました。

1) 経年的に臼歯部咬合崩壊を起こした症例の術後経過 

2) コーヌスクローネを行ったEichnerB3症例 

3) 臼歯部咬合再建に苦労した1症例

4) 短縮歯列咬合に取り組んだ一症例

 3番目の「臼歯部咬合再建に苦労した1症例」は、岐阜県から毎月参加されている苅谷憲明先生の発表でした。症例は重度歯周病で奥歯を失いつつある患者さんの咬み合わせを再建したものでした。

 右上、左上の大臼歯は根と根の分かれ目まで歯周病が進行(分岐部病変)していたため根を一部切除したり分割することにより清掃しやすくされていました。また、右下の大臼歯は分岐部病変があり前方に倒れていたため、3本のうち1本の歯根を切除してから矯正により歯を起されていました。

 左下は大臼歯を2本失っていましたが、顎骨の中に大きな神経(下歯槽神経)に近接して親知らずが埋まっていました。苅谷先生は下歯槽神経を傷つけないように、親知らずが神経から離れるまで矯正により移動させた後、抜歯して手前に移植されました。

 奥歯を失い咬み合わせが崩れると前歯に大きな負担がかかり、歯が割れたり、病的な歯の移動、歯周病を加速させる要因(咬合性外傷)のリスクが大きくなります。今回の治療は奥歯を残し、咬み合わせを再建するために最大限の努力をされた、素晴らしい症例でした。


【関連記事】

歯周病の検査: 根分岐部病変

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救歯会カテゴリの記事

カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ・救歯会  日時:2014年10月4日

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