TCHは顎関節症患者特有のものではなく、誰もが持ち得る、いわば口の余計な緊張癖。「そういうと強く噛み締めた状態を想像するかもしれませんが、短時間の噛み締めには、実はそれほど害はありません。問題なのは、軽くても長時間歯が触れ合っている状態。無意識に長く続けてしまうので、さまざまな障害を引き起こす要因になります」と、顎関節症治療の第一人者、東京医科歯科大学准教授の木野孔司さんは解説する。TCHの克服に有効なのは、”条件反射”をつくる行動療法だという。「歯を離してる?」などと書かれた張り紙やイラストを身の回りに張り、紙を見たら脱力して歯を離すことを繰り返していると、次第に考えなくても体が勝手に反応するようになる。「視覚刺激からの条件反射をつくることで、今まで出来上がってきた間違った行動様式を変えるのです。きちんと取り組むと、2~3カ月で効果が表れます」と木野さん。TCHが克服できれば、歯のトラブルはかなり抑えられる。
カテゴリー:★【ニュース】, ★【東京医科歯科大学】, ★【歯の知恵袋】 日時:2014年10月6日