根分岐部病変の再生療法: エムドゲイン vs GTR
毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加させていただいています。隔週で症例検討会と論文抄読会をしております。
2011/7/1は論文抄読会で、今回の2本の論文は同じ研究をもとに書かれた文献でした。(文献1、文献2)
テーマは根分岐部病変の再生療法: エムドゲイン vs GTRでした。歯周病治療において一般的に行われる再生療法には、エナメルマトリックスタンパクを主成分とした薬剤のエムドゲインと、手術部にバリア膜を設置するGTR法があります。エムドゲインとGTR法の分岐部病変に対する効果の比較をした臨床研究は少ないので、興味深い文献でした。
結果は両治療法とも効果があるが、エムドゲインの方がより効果的というもの。また、エムドゲインの方が術後の疼痛や腫れも少なかったとのこと。ただエムドゲインで分岐部病変が完全に閉鎖したのは18%で、20%は改善がなかったとのことで、やはり再生療法の結果にはばらつきがあることがわかりました。
ひとつの研究の結果だけですべてを判断するのは危険ですが、今後の処置法の選択の際の参考にしたいと思います。
カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ・ISCT研修会, ・再生療法 日時:2011年7月2日