毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加させていただいています。隔週で症例検討会と論文抄読会をしております。
2012/4/6は論文抄読会でテーマは「根分岐部病変へのエムドゲインの応用」でした。エムドゲインは歯周組織再生誘導材料です。歯根が2本以上ある歯の歯根の分岐部まで進行した歯周病を「根分岐部病変」と言います。歯周病により歯と歯周組織の付着が失われ、骨が垂直的(歯軸方向)に吸収してしまった部位に用いることにより、歯周組織の再生が得られることが知られています。ところが現在まで、根分岐部病変では十分な効果が認められていません。
今回の文献は左右の臼歯部に根分岐部病変を持つ12人の患者さんで、片側はエムドゲインを用いた歯周外科手術、もう片側はエムドゲインを用いない歯周外科手術を行い、その結果を比較したものでした。結果はエムドゲインを用いたグループと用いないグループで改善に差はないというものでした。
やはり従来の研究の結論通り、今回の文献でもエムドゲインを根分岐部に応用してもより良い結果は出ないという結論でした。現在のところ根分岐部病変の再生療法にはGTR法が最も有効なようです。
カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ★【歯茎の腫れ痛み】, ・ISCT研修会, ・再生療法 日時:2012年4月7日