毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2015 / 1 / 16 は論文抄読会でテーマは「根分岐部病変」でした(文献1・文献2)。
1つ目の文献は「複根歯の寿命に影響を与える因子」についての研究でした。上下顎の大臼歯は歯根が複数あり(複根歯)、根の分かれ目を根分岐部と言います。根分岐部まで歯周病が進行すると(根分岐部病変)そこにはトンネル状の空洞ができるため、歯周病菌が繁殖しやすくなり歯を失うリスクになります。
今回の研究はスイスのベルン大学を受診した、歯周病患者172人の1300本の複根歯を治療後、平均11.5年間メインテナンスして、その間に抜歯になった339本に共通した因子を調べたものでした。
その結果、奥歯(複根歯)を失いやすい条件(リスクファクター)は以下の3つでした。
・中程度以上の分岐部病変があること
・喫煙
・定期健診に来院しない
またすでに分岐部病変ができてしまった患者さんでも、禁煙して定期健診に通うことにより、歯を失うリスクが小さくなることがわかりました。
歯周病の方は、ぜひ禁煙してお近くの歯医者さんで定期的に健診を受けてください!
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カテゴリー:★【予防歯科・定期検診】, ★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ・ISCT研修会, ・メインテナンス 日時:2015年1月26日