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Dr.篠田のブログ

歯周病のコントロールとインプラント周囲炎の関係

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。

 2014 / 4 / 4 は論文抄読会でした。ふたつ目の文献は進行の速い歯周病(広汎型侵襲性歯周炎)におけるインプラント治療の経過に関する論文でした。十分にコントロールされていない歯周病の患者さんでインプラント治療をすると、歯周病菌がインプラント周囲に感染しインプラント周囲炎が起こりやすくなることが報告されています。今回の文献は広汎型侵襲性歯周炎という進行が速く、経過の良くない歯周病の患者さんと、健康な人で行われたインプラント治療の経過の違いの報告でした。

 今回の研究では35人の広汎型侵襲性歯周炎の治療を受けた患者さんと18人の健康な人にインプラント治療を行い5〜16年(平均8.25年)経過を観察しました。その結果、インプラントの生存率は健康な人では100%であったのに対し、広汎型侵襲性歯周炎の治療を受けた患者さんでは96%でした。また広汎型侵襲性歯周炎の治療を受けた患者さんでは健康な人よりも、インプラント周囲炎のリスクも高いという結果が出ました。今回の研究では、広汎型侵襲性歯周炎の治療を受けた患者さんは歯周炎のコントロール自体が難しく、天然歯の喪失も続いていました。インプラントの健康のためには歯周病のコントロールが大切であるということが改めて確認されました。


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カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ・ISCT研修会, ・インプラント周囲炎, ・歯周病とインプラント  日時:2014年4月9日

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