画像: 細胞シートティッシュエンジニアリングセンター HPより
中野区歯科医師会では学術委員会に所属して、学術講演会の企画や準備の仕事をしています。2014 / 3 / 12 は東京医科歯科大学名誉教授の石川烈先生をお招きして、「歯周組織再生における歯根膜シートの応用」というテーマでご講演いただきました。
現在、歯周組織再生療法はバリア膜を用いたGTR法とエナメルマトリックスタンパクなどの成長因子を用いる方法が一般的に行われています。どちらも歯根を覆う歯根膜細胞を誘導することにより歯周組織を再生する治療法ですが、歯周病により歯根膜組織自体が少なくなっている部位ではこれらの再生療法は困難になります。石川先生は東京女子医科大学先端生命医科学研究所で患者さんから自身の歯根膜細胞を採取してシート状に培養し、歯周病により歯根膜が失われた部位に移植することにより、歯周組織を再生する研究をされているとのことです。現在9名の臨床例があり、経過を拝見したところ従来の再生療法では見られないような劇的な改善がありました。5年以内の実用化を目指して研究をされているとのことです。
今回、学生時代以来20年ぶりに石川先生の講義を拝聴しましたが、74歳の現在も最先端の研究に取り組んでおられる姿に敬服しました。
【関連記事】