PRP(多血小板血漿)
毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加させていただいています。隔週で症例検討会と論文抄読会をしております。
2011/9/16は論文抄読会
テーマは、歯周病・インプラント外科手術時のPRP(多血小板血漿)の併用でした。PRPとは患者さんから血液を採取して遠心分離機にかけ、血小板の多い層を採取したものです。PRPの中には様々な成長因子が含まれており、傷の治りを良くする効果が期待できます。
今回の文献は2つともメタアナリシスという手法で、過去に発表された多くの研究からデータを抽出し、まとめて統計処理をしなおしたものでした。
文献1
インプラント治療において上顎洞への骨移植(サイナスリフト)とPRPの併用の効果を調べたもの。PRPの併用は骨形成には効果があったが、インプラントの生存率、骨とインプラントの結合度合いには影響がなかったとの結果でした。もともとサイナスリフトは成功率の高い治療法なので、付加的な効果は出にくいようです。
文献2
歯周外科においてPRPを併用した場合の効果を調べた研究。骨移植による再生療法と併用した場合には効果があるが、GTR法との併用には効果がないという結果でした。また、歯ぐきが後退した部位の修正手術にも付加的効果はないとのことでした。
残念ながら上記の2つの研究結果の範囲では、PRPは効果を期待して積極的に使うほどのものではないという結論になるようです。
カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ・ISCT研修会, ・サイナスリフト, ・再生療法, ・歯周外科 日時:2011年9月17日