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Dr.篠田のブログ

喫煙者に歯周再生療法を行った結果は?

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2016 / 11 / 4 は論文抄読会でテーマは「歯周再生療法に対する喫煙の影響でした文献)。

 通常歯周病の治療をする際、喫煙習慣のある患者さんには禁煙をお願いします。喫煙者は歯周病になりやすく、歯周治療をしても治りにくいからです。

 それでは実際に喫煙者に歯周再生療法を行うと結果はどうなるのでしょうか?今回の文献歯周再生療法に対する喫煙の影響」を調べたシステマティック・レビュー論文(過去に出版された文献をくまなく調査し、バイアス・データの偏りを限りなく除き分析を行うこと)でした。

 歯周再生療法における喫煙者と非喫煙者の治療結果を比較した研究を、論文のデータベースから10本見つけ出し分析がなされました。また研究手法が類似した3本の論文では、これらのデータを統合して分析し直すメタアナリシスが行われました。

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 その結果は以下の通りでした

① 喫煙は歯周病治療後の骨再生にネガティブな影響があった。

② 歯周再生療法(GTR法)を行った喫煙者は非喫煙者よりも骨の再生量が平均2.05mm少なかった。

 今回の文献で取り上げたほとんどの研究で、再生療法による骨の再生量の平均は 2 – 4 mmほどだったので、その内の2.05mm再生が少ないということは非常に大きな影響と言えます。歯周治療の中でも外科処置のような体に対する負担の大きい治療を受ける際には、禁煙は必須であると言えるでしょう。


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歯周病カテゴリの記事

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カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ・ISCT研修会, ・再生療法  日時:2016年11月7日

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