毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2014 / 4 / 18 は論文抄読会でテーマは「歯周組織再生療法に関するシステマティック・レビューの評価」でした。
治療法の評価をする際に最も信頼できる根拠となるのは、文献をくまなく調査しランダム化比較試験(RCT)のような質の高い研究のデータを偏りを限りなく除き分析を行うシステマティック・レビューです。今回読んだのは、歯周組織再生療法に関するシステマティック・レビュー・14文献をAssessment of Multiple Systematic Reviews (AMSTAR) というガイドラインを用いて評価した文献でした。AMSTARとは文献を11のチェックリストに照らし合わせ、そのうちいくつに該当するかで、システマティック・レビューの質を評価する方法です。
結果は14文献の内、チェックリストの11項目すべてを満たしたのは1文献だけで、2文献はわずかに2項目にしか該当しませんでした。今までシステマティック・レビューはすべて同様に信頼できるものであると思っていましたが、データの偏り(バイアス)の排除ができているかを基準に評価してみると、それぞれの文献の質には大きなばらつきがあることがわかりました。
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カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ・ISCT研修会, ・再生療法 日時:2014年4月22日