歯周病と医科の医療費の関係:歯科検診をすると医療費が減少!
歯周病と糖尿病、心疾患、呼吸器疾患、低体重児出産などの関連が研究されていますが、先日衆議院議員の河野太郎さんのブログに「歯周病と医科の医療費の関係」についての記述がありました。ある健康保険組合の統計によると、歯周病を治療することによって、他の医療費の削減につながる可能性があるそうです。学術論文ではなく、「ある健康保険組合の統計」なので科学的根拠ではありませんが、興味深い結果だったのでご紹介します。
ある健康保険組合は、被保険者七万人と被扶養者八万人の医療費を継続的に分析することによって、さまざまなことを明らかにしている。
たとえば歯周病で言えば被保険者の医療費データを15年間にわたり分析した結果、歯周病がある者と無い者を比較すると、医療費に差がでることがデータで裏付けられた。
歯周病がある者の年間の平均歯科医療費が44,664円に対して歯周病がない者の歯科医療費は38、392円。
しかし、それだけでなく歯周病がある者の年間の平均の医科医療費が107,759円に対して、歯周病がない者の医科医療費は91,959円にとどまっている。
結果的に歯周病のあるなしで平均の年間医療費に2万円余の差が出ている。
さらに、その健康保険組合の分析で、歯科検診を実施している事業所では5年間で医療費が最大で23%も減少したのに対し、歯科検診を実施しなかった事業所では5年間で24%の医療費の増加がみられた。
だから、歯周病というのは一人当たりの医療費が第一位だったというだけでなく、それを治療することによって、他の医療費の削減につながる可能性がある。
ブログ記事の中で特に興味深いのは、「歯科検診を実施している事業所では5年間で医療費が最大で23%も減少したのに対し、歯科検診を実施しなかった事業所では5年間で24%の医療費の増加がみられた。」ことです。歯科検診を実施することにより歯周病の改善だけでなく、生活習慣や健康への意識など複数の要因の変化が医療費の削減につながっているのかもしれませんが、歯科検診が医療費の削減にこれだけ大きく影響していることには驚きました。
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カテゴリー:★【ニュース】, ★【歯の知恵袋】, ★【歯周病】, ・歯周病と全身疾患 日時:2013年7月26日