篠田歯科スタッフブログ
酸蝕症の原因と予防:内因性と外因性
こんにちは、歯科衛生士の木村です。酸によって 歯の表面が溶けたり欠けたりして、むし歯や知覚過敏などを引き起こしやすくなることを「酸蝕症」といいます。今回はその酸蝕症の原因についてご説明します。
酸蝕の原因は、酸の由来から内因性と外因性の2つに分類されます。
内因性
内因性の原因としては、胃液が関連しています。胃液は胃酸とよばれることからわかるように強酸の塩酸からなり、口腔内に逆流することにより歯を溶解します。例えば、摂食障害、薬物、アルコールなどの作用による嘔吐や口腔内への逆流によって歯に接触することで、歯が溶けてしまうことをいいます。
外因性
もう一つの外因性の病因として、飲食物に由来する酸があります。これは酸性度の高い食品の多量、頻回の摂取や摂取の方法によって、歯を溶かすことがあります。
画像:東京医科歯科大学歯科同窓会発行リーフレット 「酸性食品と酸蝕症」 より
外因性酸蝕症の予防には、酸性が強い食品の過剰摂取を控えることが大切です。そして、酸性食品を摂った後にはお茶や水などの中性飲料で口 をすすぐことをお勧めします。また日頃からよく噛んで食べることで唾液の分泌が促され、歯の再石灰化が進みます。一時的に溶けた歯はすぐに戻り、酸蝕症になるのを防ぎます。
内因性、外因性の鑑別法として、一般的に内因性の場合は前歯の内側(口蓋側)が溶け、外因性の場合は外側(唇頬側)の歯面が溶けることが特徴です。