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Dr.篠田のブログ

歯科におけるデジタル化とオールセラミック修復:ISCT研修会

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2016 / 3 / 11 はボストン大学歯学部臨床教授の山本英夫先生をお招きして「歯科におけるデジタル化」と「歯科修復材料」についてお話しいただきました

歯科におけるデジタル化

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 従来の歯科治療では、

①歯を差し歯・詰め物の土台として削る

②歯型取り

③型に石膏を注いで模型を作る

④模型上で差し歯・詰め物を製作

上記の手順で歯科修復物を製作してきました。近年はセラミック修復物などにおいて④の工程をコンピュータ上で設計しコンピュータ制御の装置で製作(CAD/CAM)したり、②の型とりの代わりにデジタル機器で歯を撮影することにより、③石膏模型を作らず、④CAD/CAMで製作することができるようになりました。

 講演ではCAD/CAM修復物の適合精度や審美性、強度について、研究論文や症例を挙げてご説明いただきました。

歯科修復材料:ジルコニアは対合歯をすり減らす?

2016031305.jpg 後半は歯科修復材料、特にオールセラミック修復についてお話しいただきました。以前の審美歯科治療では、セラミックのみでは十分な強度が得られないために、金属のフレームをセラミックでコーティングした修復物が主に用いられてきました。近年では e.maxジルコニアなど強度の高いセラミックの登場により、金属を使わないオールセラミック修復が可能になりました。2016031304.jpg 興味深かかったのは、ジルコニアの対合歯(噛み合う相手の歯)のすり減りについてです。ジルコニアは非常に強度・硬度が高いので、対合天然歯をすり減らすのではないか?という疑問を持たれがちです。山本先生のグループは e.maxジルコニア、従来のセラミックを天然歯と60万回噛みあわせた後どのくらいすり減ったかを実験で調べました。その結果、ジルコニアは他の材料に比べて対合歯をすり減らせる量が著しく少なかったそうです(上写真グラフ)。その理由はジルコニアの粒子が細かいために、表面を削って荒くしてもその後研磨すれば、表面は非常になめらかになるためではないか?と考察されていました。

 その他にもオールセラミック修復における接着材についてなど、臨床の参考になるお話をたくさん伺うことができました。

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カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【審美歯科】, ・ISCT研修会  日時:2016年3月14日

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