中野区歯科医師会では学術委員会に所属して、学術講演会の企画や準備の仕事をしています。2016 / 3 / 2 は中野区でご開業の杵渕孝雄先生、東京歯科大学教授の阿部伸一先生、大田区でご開業の石川明寛先生をお招きして、「インプラント治療を再考する」というテーマで学術シンポジウムを開催しました。
杵渕孝雄先生は「アパタイトインプラントの特徴とその臨床」というテーマでご自身が治験から携わられたAQBインプラントについてご講演されました。ご自身で治療された2,000本以上のインプラントの経過について紹介され、非常に高い成功率と万が一インプラント周囲炎が起こった場合の対処法についてお話しいただきました。
阿部伸一先生は「インプラントのための臨床機能解剖学」というテーマで、インプラント手術における事故が起こる可能性のある危険部位についてお話しいただきました。我々歯科医が大学や研修で勉強する解剖学は歯が残存している状態のものですが、歯を失うと顎骨は大きく吸収して動脈や神経などの位置を見誤り易くなります。インプラント治療を受ける患者さんは歯を失い、顎骨が大きく吸収している場合が多いため、講演では「顎骨が大きく吸収している」多くの人体解剖写真を挙げて、事故の可能性についてご説明いただきました。
石川明寛先生には「ガイデッドサージェリーを用いたインプラント治療」というテーマでご講演いただきました。従来はCTスキャンを用いてインプラントの埋入計画を立て、インプラント手術をガイドするマウスピースは人の手で作られていました。ガイデッドサージェリーではCTスキャンデータを用いて、コンピュータ上で手術をガイドするマウスピースを設計し、自動で削り出します(CAD/CAM)。このマウスピースを用いてインプラントの埋入を行います。
簡単に適正な位置にインプラントの埋入ができる様に思えますが、部位によってはマウスピースで決めた位置からインプラントの埋入位置がズレやすいこともあり、正しく用いるには熟練が必要とのことでした。
画像:ストローマンHPより
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