東京医科歯科大学歯科同窓会中野支部では学術委員として、学術講演会の企画や準備の仕事をしています。2016 / 3 / 15 は、日本歯周病学会指導医で中野区でご開業の景山正登先生をお招きして、歯周病のメインテナンス(定期健診)についてご講演いただきました。
歯周病治療後の患者さんにおいてメインテナンスが行われない場合、 歯周病の再感染や進行のリスクが高くなります。景山先生が挙げられた文献のひとつ、Beckerら(1979, 1984, 1984)によると歯周病患者の長期の追跡調査により以下のようなことがわかったそうです。
①歯周病と診断されて治療を受けなかった人は1年あたり0.36本の歯を失った
②歯周病と診断されて治療を受けたが、メインテナンスは受けなかった人は1年あたり0.22本の歯を失った
③歯周病と診断されて治療を受け、メインテナンスも受けた人は1年あたり0.11本の歯を失った
つまり、歯周病治療を受けた②と③でメインテナンスを受けなかった②は、メインテナンスを受けた③の2倍の速さで歯を失ったという結果になりました。厚生労働省 e-ヘルスネットでも同じ文献を挙げて歯周メインテナンスの必要性を訴えています。
このため講演では、長期来院につながるような患者さんにとって魅力あるメインテナンスを行うには、どのようにコミュニケーションをとればよいのかについて症例を挙げながらご説明いただきました。
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カテゴリー:★【予防歯科・定期検診】, ★【東京医科歯科大学】, ★【歯周病】, ★【講演会】, ・メインテナンス 日時:2016年3月18日