中野区歯科医師会では学術委員会に所属して、学術講演会の企画や準備の仕事をしています。2014 / 4 / 24 は鶴見大学歯学部小児歯科学講座教授の朝田芳信先生をお招きして、「乳幼児期における口腔診査のポイント」というテーマでご講演いただきました。
画像:東京医科歯科大学歯科同窓会発行リーフレット「酸性食品と酸蝕症」より
講演では子供の口腔の様々な特徴や問題点についてご解説いただきました。1つ目のポイントは昔の子供に比べて現在は虫歯が減少している反面、相対的に酸蝕歯が増えていることでした。酸によって歯の表面が溶けたり欠けたりして、むし歯や知覚過敏などを引き起こしやすくなるのが「酸蝕症」です。近年は食生活の変化により、スポーツドリンクや炭酸飲料など酸性の強い食品を習慣的に摂取する傾向があり、酸蝕症の子供が増加しています。
2つ目のポイントは、保護者から子供への虫歯菌の感染でした。子供の口の中の虫歯菌は保護者から感染し、最も影響の大きい時期は19ー31ヶ月(感染の窓)とのこと。特にこの時期、保護者は自身の口腔内を清潔に保つことが必要だとのことでした。
その他指しゃぶりの歯並びへの影響、癒合歯、転倒などによる乳歯の外傷への対応などについてお話いただきました。また最後に歯科健診時に子供への虐待が見つかることがあり、その兆候をご説明頂きました。
【関連記事】