キシリトールの虫歯予防効果、確認できず:コクラン共同計画
甘味料のキシリトールは口腔内の細菌の代謝により酸を産生することがほとんどなく、虫歯予防効果もあると考えられてきました。日本歯科医師会もキシリトールガムを推薦商品としています。
今回の研究では、子供と大人に対するキシリトールの虫歯予防効果を評価するため、様々なデータベースから合計5,903名を調査した10研究を抽出しました。この10の研究のうち1つは偏り(risk of bias)が小さかったものの、2つは不明、残りの7つは偏りが大きく、ほとんどの研究は質が低かったとのことです。
【結果】
4,216人の子供を2.5〜3年間調査した2つの研究で、10%キシリトールを配合したフッ素入り歯みがきを、キシリトール配合なしのフッ素入り歯みがきと比較したところ、虫歯が13%減少したとのことです。ただしこれらの2研究は、同じ著者が同じ被験者を対象に行なった、偏りが大きく質の低いもので注意が必要だそうです。
またこれ以外の研究の質も「低い」から「非常に低い」で、幼児、子供、大人において、その他のキシリトールを含む製品が虫歯を予防するかどうかを判断するには不十分であったとのことです。
ガム、アメ、歯みがきペーストなど多くの製品の売上に結びつく研究においては、偏り(bias)について慎重に見極める必要があるようです。
カテゴリー:★【予防歯科・定期検診】, ★【歯の知恵袋】 日時:2015年4月17日