歯を失って義歯を使わなければ 転倒のリスクが 2.5 倍に:厚労省研究班調査
以前に歯の喪失と心疾患のリスク、歯の喪失と記憶力の低下の関係についての研究をご紹介しましたが、厚労省研究班の調査によると、歯が19 本以下で義歯を使用していない人は転倒のリスクが高くなるとのことです。高齢者の3人に1人は1年間に転倒を経験し、転倒した方の6%は骨折するそうです。また、骨折の中でも大腿骨頸部骨折すると寝たきりになってしまうことが多いとのことです。
2003 年に愛知県に居住する 65 歳以上の健常者を対象としてアンケート調査を行った。そして,最初の調査時点で過去 1 年間に転倒の経験がない者のうち,3 年間追跡できた 1763 名の 3 年後における過去 1 年間の転倒経験と,歯数および義歯使用の有無との関係を検討した。
20 歯以上の人に対して 19 歯以下で義歯未使用の人の転倒リスクは 2.50 倍であった(図)。なお,19 歯以下で義歯を使用している人の転倒リスクは 1.36 倍であり,20 歯以上の人との間に明らかな(統計学的に有意な)違いは見られなかった。
歯を失っても義歯を装着しないと下顎の位置が不安定になり、体のバランスが低下して転倒しやすくなることが推測されるとのことです。しかし義歯を装着することにより転倒のリスクは減少するそうなので、歯の喪失をそのままにしておかない方がいいようですね!
カテゴリー:★【歯の知恵袋】 日時:2013年7月13日