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Dr.篠田のブログ

『口腔内のむし歯菌』と『微小脳出血』との関連を解明:国立循環器病研究センター

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 近年、むし歯や歯周病の原因となる口腔内の細菌が血管に侵入し脳や心臓など全身の病気を引き起こすのではないかという研究が多く報告されています。
 先日、国立循環器病研究センター(略称:国循)がむし歯菌(ミュータンス菌)と脳卒中の発症率の関係を明らかにしたと発表しました。脳卒中で国循に入院した患者さんのだ液に含まれるむし歯菌の遺伝子を調べたところ、血管の傷口に集まって血小板の止血作用を阻害する性質を持つむし歯菌の株が検出された患者さんは、脳出血を発症している割合が高かったそうです。
 このため口腔内のむし歯菌を減らすことにより、脳出血等の予防につながる可能性があるとのことです。
 お近くの歯科医院で定期的に健診・クリーニングを受けて健康なお口とからだを維持しましょう!

国立循環器病研究センター プレスリリース 2016年02月5日より引用
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【脳と口の濃厚な関係(脳口連関)】

むし歯の原因菌として知られている細菌(いわゆるミュータンス菌)のうち、血管壁のコラーゲンと結合することで血管の傷口に集まって血小板の止血作用を阻害する性質を持つcnm遺伝子保有株が、脳内で炎症を引き起こし脳出血の発症に関与することを明らかにしました。

【今後の展望】
今回、ミュータンス菌と脳出血との関係を明らかにできたことは、脳卒中の新たな予防法の開発に寄与するものと考えています。今後、日常の口腔清掃や歯科治療によってミュータンス菌など口内細菌の量を減少させることや、医療の現場で病原性の高い細菌を選択的になくすような方法を確立することで、脳出血等の予防につながる可能性があります。脳血管・脳神経内科と歯科が連携し、いわば「脳口連関」を明らかにすることで脳卒中などの重篤な疾患の予防法・治療法に寄与する可能性を念頭に置き、研究開発を継続していきます。
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カテゴリー:★【ニュース】, ★【歯の知恵袋】  日時:2016年2月15日

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