中野区歯科医師会では学術委員会に所属して、学術講演会の企画や準備の仕事をしています。2015 / 11 / 27 は渋谷区でご開業の西堀雅一先生をお招きして、「歯周補綴:臼歯部咬合崩壊と歯牙の保存について考える」というテーマでご講演いただきました。
重度に歯周病が進行し歯の支持組織が少なくなると、歯の動揺が増加し病的な移動が起こりやすくなります。このように重度歯周病で奥歯が倒れてかみ合わせが崩れた状態を、「臼歯部咬合崩壊」と言います。
かみ合わせが崩れると、個々の歯には不適切な力(咬合性外傷)が加わり歯周病の進行を加速させると考えられてきました。このため臼歯部咬合崩壊症例では歯周治療後、歯列矯正で歯並びを元に戻し、動揺する歯を削って連結固定する「歯周補綴」が行われてきました。
講演では臼歯部咬合崩壊を起こした重度歯周病症例の治療法に対する考え方の変遷について、多くの症例を挙げながらご説明がありました。特に咬合性外傷と歯周病の進行の関係を再検証し、よりシンプルで合理的な治療法を提案されていました。
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