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Dr.篠田のブログ

ファイバーポストと金属ポストによる微小漏洩の違い

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2015 / 4 / 17 は論文抄読会でテーマは「ポストの種類による微小漏洩の違い」でした文献)。

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画像:bioloren.com より引用改変

 虫歯などにより歯の頭の部分(歯冠)がなくなってしまった場合、歯の神経の穴(根管)に心棒(ポスト)を立てて土台(コア)を作ります。さらにこの上に銀歯やセラミックの被せ物(クラウン)を装着します。

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ファイバーポストを用いた支台歯

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オールセラミック・クラウン装着時

 今回の研究はポストの材質や製品の種類によって、根尖へのばい菌の侵入の原因となる微小漏洩(microleakage)に差があるかを調べたものでした。抜去された天然歯90本を10本ずつの9グループに分け、8種類のグラスファイバー製のポスト(ファイバーポスト)と1種類のステンレス製ポストを根管に接着しました。

 この9グループに漏洩試験を行ったところ、最も漏洩の大きかったのはステンレス製ポストを用いた根管でした。また、8種類のファイバーポストを用いた根管にはグループごとに漏洩の値にばらつきが大きく、中にはステンレス製ポストを用いた根管と有意差の無いグループもありました。

 この微小漏洩の差は、ポストが接着材とくっついて根管を封鎖できているかどうかの差であると考えられます。このことからファイバーポストでも種類によってよく接着するものと、そうでないものがあることが示されました。また、うまく接着しないポストは漏洩だけでなく、脱離や虫歯(2次う蝕)の原因になる可能性もあるため、ファイバーポストの製品は慎重に選ぶ必要があると感じました。


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カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【審美歯科】, ・ISCT研修会, ・オールセラミック  日時:2015年4月27日

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