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Dr.篠田のブログ

下顎の奥歯がない(遊離端)義歯症例への対応:スタディグループ救歯会

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 毎月第一水曜日(時々変更があります)はスタディーグループ救歯会の例会に参加しております。月1回、分野を限らず包括的な歯科医療の症例検討会をしています。当日の診療は4:30までとなりますので、患者様にはご迷惑をおかけいたします。

 2013 / 5 / 8 は以下のテーマで4人の演者が発表しました。

1) 可撤性義歯の支台歯にインプラントを用いた症例の経過 

2) 歯牙移植の 16 年経過

3) 前後的すれ違い咬合に対して義歯で対応した症例 

4) 1本のインプラント支台を義歯に応用した1症例

 今回の例会は上記の2)以外すべて下顎の奥歯がない(遊離端)義歯症例の発表でした。

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 3)前後的すれ違い咬合に対して義歯で対応した症例 は、練馬区でご開業の菊川先生の発表でした。菊川先生の症例は上図のように上下顎で歯のあるところと、ないところが互い違いになっている「すれ違い咬合」の症例でした。下顎の奥歯がなく上顎の奥歯が残っている症例は、強くかむと義歯を通して下顎の奥の粘膜が圧迫されるため痛くなりやすく、義歯の中でも最も難しい症例と考えられています。菊川先生はこの最も難しい症例にコーヌス義歯で対応されていましたが、相当なご苦労があったそうです。

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  1)可撤性義歯の支台歯にインプラントを用いた症例の経過  4)1本のインプラント支台を義歯に応用した1症例 は下顎の奥歯がないところにインプラントを埋入して上顎の力を受け止める設計の義歯の症例でした。4)は岐阜県でご開業の刈谷先生の発表でした。たくさんのインプラントを埋入すると固定式の歯が入り快適に会話や食事ができますが、患者さんの費用負担は大きくなります。義歯の下に1本だけインプラントを埋入することにより、比較的少ない費用で痛くてかめない義歯をよくかめる義歯に変えることができます。このように少数のインプラントで義歯を支える取り組みはコストパフォーマンスが良い反面、インプラントに大きな力がかかるためインプラントの破折の心配があります。このためインプラントの上部構造としてどんな装置を介して義歯を支えるのが適しているのか、などの点が議論されました。


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インプラント症例 カテゴリの記事

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カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ★【義歯】, ・救歯会  日時:2013年5月12日

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