虫歯治療で抜いた神経再生、世界初の臨床研究へ
神経に達する虫歯の治療では、神経を除去する根管治療を行います。しかし根管治療を行うと、神経を除去したスペースに細菌感染が起こる(根尖性歯周炎)リスクが増大します。国立長寿医療研究センターでは、除去した歯の神経を再生させる動物実験に成功したそうです。
虫歯の治療で抜いた歯の神経(歯髄)を、親知らずから取り出した細胞を移植して再生する世界初の臨床研究を国立長寿医療研究センター(愛知県)の中島美砂子部長らが今月内にも始める。
細菌による虫歯再発や化膿かのうを防ぎ、歯の寿命を長くできると期待される。
症状の重い虫歯の治療では、歯の中央部分に位置する歯髄をくりぬき、空間を金属などで補強する。周囲はセメントで固めるが、すき間から細菌が入り、虫歯が再発したり、歯の根もとが化膿したりすることも多い。抜歯に至る場合もある。
臨床研究では、患者5人の、親知らずなど不要な歯から、歯髄の再生を促す細胞を採って培養。培養した細胞を、とどまらせる役割のたんぱく質とともに、歯髄の抜けた空間に注入する。犬の実験では2か月後に歯髄が回復。臨床研究では、同様の効果があるか、安全性と有効性を確認する。
カテゴリー:★【ニュース】, ★【虫歯治療】, ・根管治療 日時:2013年4月29日