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Dr.篠田のブログ

骨粗しょう症の薬(ビスフォスフォネート製剤)とインプラント治療:ISCT研修会

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2013 / 3 / 8 は論文抄読会でテーマは「ビスフォスフォネート製剤とインプラント治療」でした(文献1文献2)。

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 骨粗しょう症とは骨が弱くなり骨折のリスクが高くなる病気です。骨粗しょう症の方がよく服用されているのがビスフォスフォネート製剤です。またビスフォスフォネート製剤はガンの骨転移を抑制する目的で用いられることもあります。このビスフォスフォネート製剤を服用中の患者さんの抜歯をした後に顎骨の壊死が起こった例が報告されています。

 文献1はビスフォスフォネートを投与されている患者さんにインプラント治療は可能か?過去にインプラント治療を受けた患者さんがビスフォスフォネートを投与されることによりどういう影響があるか?を調べたシステマティックリビュー論文でした。文献のデータベースで1966年12月から2008年までに出版された論文の中から条件を満たす研究をすべて抽出して結果をまとめたところ、以下の様なことがわかりました。

・経口ビスフォスフォネート治療を受けている患者において、インプラント手術によって顎骨壊死が発生するというリスクについてのデータはほぼない。

・今回取り上げた研究によると、服用期間5年未満でのインプラント埋入は安全な処置とみなせるかもしれない。

・経口ビスフォスフォネートは短期のインプラント治療の生存率には影響を及ぼさなかった。

 つまり、ガンの骨転移を抑制する目的で用いられる経静脈投与のビスフォスフォネート治療はインプラント治療に影響を与えるかもしれないが、骨粗しょう症の治療目的で経口投与されているビスフォスフォネートはインプラント治療に対する悪影響が確認されていないということでした。

 今回のシステマティックレビューの結論は以上のようなものでしたが、実際にインプラント周囲で顎骨壊死が起こった場合の治療は非常に困難なものになるため、骨粗しょう症の薬を飲んでいる患者さんのインプラント治療にはやはり慎重であるべきでしょう。

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カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ・ISCT研修会  日時:2013年3月11日

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