毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加させていただいています。隔週で症例検討会と論文抄読会をしております。
2011/12/2は論文抄読会で、テーマは「フルマウス・デブライドメント (フルマウス・ディスインフェクション)」でした。
歯周病患者の口の中にデブライドメント(感染の除去)済みの歯と未治療の歯が存在すると、未治療の歯周ポケットから治療済みの歯に歯周病原菌が再感染するのではないか?という疑問がわきます。そこで、24時間以内にすべての歯のデブライドメントをするという治療法が、フルマウス・デブライドメントです。
今回の文献はフルマウス・デブライドメントが、4-6回の来院で行う従来のデブライドメントと比べて治療効果が大きいかどうかを調べた、システマティックリビュー論文でした。結果は、フルマウス・デブライドメントにより従来のデブライドメントよりも統計学的に有意に歯周病が改善するというものでした。ところがその差は小さく、実際の治療上意味のある差ではないとのことでした。
一度に全部の歯をデブライドメントするのは、患者さんにとっても歯科医・衛生士にとっても大きな負担になるので、効果の差が大きくないのであれば日常的に選択する治療法ではないと思いました。
カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ★【歯茎の腫れ痛み】, ・ISCT研修会 日時:2011年12月3日