その一方、健康な人に比べると治っていない歯周病患者のインプラントの成功率は劣るという報告があります。
Hardt ら(2002 ) の研究によると、 346 本のインプラントを 5 年間観察した結果、健康な人のグループにおけるインプラントの失敗率が 3 %であったのに対し、歯周病患者のグループではインプラントの失敗率が 8 %でした。彼らは、歯周病患者ではインプラント治療の失敗率が増加するかもしれないと結論付けています。
また Karoussis ら(2003 ) の研究では、歯周病患者と健康な人のグループ間で 10 年後のインプラントの生存率を比較しています。
歯周病患者のグループ:
患者 8 人 インプラント 21 本 生存率 90.5 %
健康な人のグループ:
患者 45 人 インプラント 91 本 生存率 96.5 %
という結果でした。
このように、歯周病患者におけるインプラント治療は 5 年、 10 年経過した後も 90 %以上の生存率が期待できますが、健康な人に比べるとその値は劣るようです。
このため歯周病患者においては、徹底的な歯周病治療の後にインプラント治療を行うかどうかの判断が必要になります。
またインプラント治療を行った場合には、健康な人以上に厳密なメインテナンスが必要になります。
カテゴリー:★【インプラント】, ★【歯周病】, ・歯周病とインプラント 日時:2010年11月26日