インプラントと咬み合う歯(対合歯)は、寿命が短い?:スタディグループ救歯会調査
歯科インプラントは咬み合わせを支える力が強いため、これと咬み合う歯(対合歯)に強い力がかかり、対合歯の破折や歯周病の進行を加速する要因(咬合性外傷)を引き起こすのではないか? という疑問が持たれてきました。
383人の患者さんの平均72ヶ月間の経過を調べた結果、上の写真のようなインプラントの対合歯とその対照歯を比較して、観察期間内の歯の喪失数に差はありませんでした。「インプラントは対合歯の喪失のリスクファクターではない」という結論が出ました。
天然歯はその歯根と歯を支える骨(歯槽骨)の間にクッション(歯根膜)と圧力を感じるセンサーを持ちます。これに対してインプラント表面は骨と直接結合していて、クッション(歯根膜)も圧力を感じるセンサーも無いため、対合歯に悪影響を及ぼすのではないかと考えられてきました。ところが今回の研究から、そうでは無いことが分かりました。これは、対合歯の持つクッション(歯根膜)と圧力を感じるセンサーが機能しているせいかもしれません。
カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ・救歯会 日時:2014年7月22日