歯科インプラント治療のMRIやCTに対する影響
インプラント治療を検討されている患者さんから「インプラント治療を受けても、MRIやCTは撮影できますか?」というご質問をいただくことがあります。これについての日本口腔インプラント学会のQ&Aをご紹介します。
インプラント治療を受けた場合、MRIやCTによる画像診断への影響はありますか?
チタンあるいはチタン合金のインプラントを用いてインプラント治療を受けた場合、そのインプラントがMRIによる画像診断に影響を及ぼすことはありません。しかし、インプラントの上部に磁石が付いた構造物が装着されている場合には、MRIの画像が乱れることがあるので注意が必要です。また、チタンのインプラントが埋まっていることによって、CTによる画像診断が影響されることもあります。
以下に少し詳しくご説明します。
CT
CT画像では金属の周囲にアーチファクトと呼ばれる白い影があらわれます。下のCT画像では天然歯とインプラントのクラウン(かぶせ物)や天然歯のメタルコア(金属の芯棒)の周囲にアーチファクトが見られますが、インプラント本体周囲のアーチファクトはそれに比べると小さいようです。
MRI
インプラント本体がMRI画像に影響を与えたり、MRI撮影中に発熱することはありません。しかし、インプラントまたは天然歯を支台とした磁石の入れ歯(磁性アタッチメント)を使用している方は注意が必要です。日本磁気歯科学会のリーフレットには以下のように説明があります。
・MRI装置が発生させる磁力によって生じるキーパーの温度上昇は、国際規格である米国材料試験協会が定める安全性試験(ASTM F2182-02a)の結果、1℃以下であり、健康への影響はありません。
・キーパー付近のMRI画像に影響が出る場合がありますが、離れた部位へのMRI検査には影響はありません。
まとめ
歯科インプラント治療を受けた方でも、CTやMRIの画像診断を問題なく受けられますが、磁石の入れ歯を使っている方はMRI検査室に入れ歯を持ち込まないようにしましょう。
カテゴリー:★【インプラント】, ★【歯の知恵袋】 日時:2013年12月24日