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Dr.篠田のブログ

前歯部のインプラント治療:歯間部にすき間ができないためには

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2013 / 9 / 20 は論文抄読会でテーマは「インプラント治療における歯間乳頭でした文献1文献2)。歯間乳頭とは歯と歯の間の部分の歯肉で、一般的に歯間部が歯間乳頭で埋まっていると美しく、若々しく見えます。

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手術回数が多いと歯間乳頭がなくなる

 文献1は2006ー2007年に前歯部にインプラントを1本埋入した患者さん97人を2009年に検査して、歯間乳頭の高さに影響を与える因子を分析した研究でした。過去の研究で歯間部の骨の高さが歯間乳頭の高さに影響を与えることがわかっています。今回の研究でも治療前の歯間部の骨の位置が低いと、治療後の歯間乳頭の高さも低いという結果が出ました。また骨移植などのために歯間乳頭部にメスを入れる手術回数が多いと、歯間部の骨の吸収が大きくなり歯間乳頭も退縮するということでした。

 前歯のインプラント治療の際には、なるべく歯間乳頭部にメスを入れない術式を工夫する必要があるようです。

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インプラントとインプラントの間は歯間乳頭が低くなる

 文献2では前歯部で複数の歯を失い、天然歯とインプラントを支台とする補綴物(さし歯)を装着した150人の患者さんで調査を行い、天然歯・インプラント・ポンティック(ブリッジの土台の無い部分)のそれぞれの間の歯間乳頭の高さを測定しました。その結果、歯ーインプラント、歯ーポンティック間では歯間乳頭の高さは同様(平均4.1mm)であったのに対し、インプラントーインプラント、インプラントーポンティック間では歯間乳頭の高さは統計学的に有意に低い値(平均3.3mm以下)になりました。

 インプラントーインプラント、インプラントーポンティック間のように2本連続して歯を喪失した部位では、高い歯間乳頭を作るのは難しいため、補綴物(さし歯)の形態を工夫して歯間部のすき間を小さくするしかないようです。

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カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ★【審美歯科】, ・ISCT研修会  日時:2013年9月24日

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