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Dr.篠田のブログ

歯周補綴 重度歯周病でどこまで歯は残せるのか?:ISCT研修会

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2013 / 6 / 14 は西堀歯科のOBで、杉並区でご開業の石川先生の症例発表でした。

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重度歯周病症例

 症例は重度歯周病ながら、できるだけ歯を残して義歯にしないで欲しいと希望される患者さんでした。ところが症例の診査結果を見たところで研修会のほとんどの参加者は、上顎の多くの歯を抜いて義歯にせざるを得ないと考えるほど歯周病が重度に進行していました。石川先生は患者さんの歯を残したいという強い希望から、まずは抜歯をしないで歯周病治療を行い上顎の歯をすべて連結したブリッジの仮歯で経過を観察しました。そして歯周組織の付着が極端に少なくなっているものの、炎症のコントロールができていることを確認して二重冠ブリッジ(写真参照)を製作しました。上の写真は当院の症例ですが、このような二重冠ブリッジは取り外して修正が可能なので、多くの支台歯を失った場合には義歯床を付けて部分入れ歯に改造することができます。石川先生は将来支台歯を失った場合に対応できる装置で、まずは固定式の歯を装着することを選択されました。

どこまで歯は残すべきか?

 重度の歯周病で歯周組織の付着がわずかな歯をリスクを承知で残すか、はじめから抜歯して安定した義歯を製作するか、抜歯してインプラントの歯を入れるのかは難しい問題です。将来の抜歯のリスクとそれに伴う修正治療の可能性を理解していただいた上で、患者さんの希望を生かした治療が理想的でしょう。

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カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ・ISCT研修会  日時:2013年6月18日

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