毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2013 / 6 / 7 は論文抄読会でテーマは「インプラント辺縁骨に対する補綴時期の影響」でした。
無歯顎の方のインプラント治療などでは、インプラント埋入と同時に仮歯を装着することがあります。1日でインプラントの歯が入る素晴らしい治療法ですが、インプラント周囲骨に影響は無いのでしょうか? 今回は早期にインプラントにクラウンを装着した場合の周囲骨に対する影響を調べたシステマティックレビュー論文が取り上げられました。今回の文献では医学論文のデータベースを検索して、選択基準に合致した11研究が抽出されました。これらの研究のデータをまとめて統計分析しなおしたところ、「早期にインプラントにクラウンを装着しても周囲骨に対する影響は見られなかった」という結論に至りました。
今回の文献の結論はインプラントが十分に骨に固定されている事が前提で、かみ合わせの力によりインプラントが動いてしまった場合には、インプラントが脱落してしまうリスクがあります。早期に仮歯が入るメリットとインプラントが脱落してしまうかもしれないリスクをよく吟味して仮歯を入れる時期を決めるべきだと思います。
【関連記事】
カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ・ISCT研修会 日時:2013年6月12日