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Dr.篠田のブログ

ビスフォスフォネートを併用した歯周病治療:ISCT研修会

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 毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2013 / 3 / 15 は論文抄読会でテーマは「ビスフォスフォネートを併用した歯周病治療でした

 ビスフォスフォネート骨粗しょう症の治療やガンの骨転移を抑制する目的で用いられる薬です。このビスフォスフォネート製剤を服用中の患者さんの抜歯をした後に顎骨の壊死が起こった例が報告されています。

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非外科的な歯根面清掃:日本歯科医師会 歯周病説明用画像

 ビスフォスフォネートは破骨細胞を抑制して骨密度を高くする働きがあるために骨粗しょう症の治療に用いられますが、このビスフォスフォネートを歯周病の治療に用いる研究が行われています。今回の論文は慢性の歯周病(文献1)と侵襲性の歯周病(文献2)で非外科的な歯根面清掃(上図)時にビスフォスフォネートジェルを歯周ポケット内に注入するというものでした。過去の研究では、非外科的な歯根面清掃時に局所的に抗生剤や消毒剤を併用しても薬剤の付加的な効果はあまり得られないという結果が一般的です。ところが今回の研究では慢性歯周炎(文献1、侵襲性歯周炎文献2)ともに歯根面清掃後、対照群では骨の欠損が2%程度しか埋まらなかったのに対し、実験群では骨の欠損が40%以上新しい骨で埋まりました。まるで再生療法を行ったような著しい改善ですが、ビスフォスフォネートが沈着した骨組織がその後どのような長期経過を辿るのか今後の研究結果を待ちたいと思います。

【関連記事】

骨粗しょう症の薬(ビスフォスフォネート製剤)とインプラント治療

歯周病カテゴリの記事

ISCT研修会カテゴリの記事

カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ・ISCT研修会  日時:2013年3月18日

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