短いインプラントの成功率
毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加させていただいています。隔週で症例検討会と論文抄読会をしております。2012/12/21は論文抄読会でテーマは「短いインプラントの成功率」でした(文献1・文献2)。インプラントを埋入する時に、骨が足りないことはよくあります。短いインプラントなら埋入出来るだけの骨が存在する場合に短いインプラントを使用するか、骨移植などの手術をして骨を増大させて通常の長さのインプラントを使用するかは判断に迷うことがあります。
文献1は、68人の患者さんの上顎後方部の6-7mmしか骨の高さがない部位で ①短いインプラントを使用するグループ と ②骨移植をして通常の長さのインプラントを使用するグループ に振り分けて治療を行い3年間の経過を比較した研究でした。結果は①も②も3年間の経過に差はなかったが、②は骨移植の手術もするため術後の腫れや痛みが大きかったというものでした。最近のインプラントは表面性状の改良などにより骨と強固に結合するようになってきているため、短いインプラントでも問題は少ないようです。余分な手術を省いて腫れや痛みが少なくて済むのであれば、短いインプラントは有力な選択肢の1つと考えていいでしょう。
カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ・ISCT研修会 日時:2012年12月22日