毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2013 / 3 / 22 は症例検討会で、発表者は小田原市でご開業の西本先生でした。
テーマは「侵襲性歯周炎の治療」。侵襲性歯周炎とは全身的には健康なのに、進行が非常に速い歯周病のことです。症例は20代の女性と30代の女性で歯周病が重度に進行していました。症例の基本治療に対する反応が良くなかったために、西本先生は細菌検査を行い抗菌薬を投与してもう一度根面清掃をされました。1症例ではさらに再生療法を行い良好な結果が得られました。
日本歯周病学会編「歯周病患者における抗菌療法の指針」によると
通常の歯周基本治療では改善の認られない歯周炎患者に対して、抗菌療法の併用が推奨される。
良好な口腔清掃が確立した後、スケーリング・ルートプレーニング開始時からスケーリング・ルートプレーニング終了直後に、抗菌薬を服用することが推奨 される。
歯周基本治療前あるいは基本治療後に、細菌検査や薬剤感受性検査を実施して、検査結果に基づいて抗菌療法を行うことが望ましい。一方、原因菌の予測による仮診断から薬剤を選択して使用する抗菌薬の経験的投与もありえる。
とのことで、今回の西本先生の抗菌剤を併用した歯周治療の流れは、この「歯周病患者における抗菌療法の指針」とも一致した合理的なものでした。
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カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【歯周病】, ・ISCT研修会 日時:2013年3月25日