毎週金曜日は、以前に私が勤務していた西堀歯科の勉強会 ISCT研修会に参加しており、隔週で症例検討会と論文抄読会をしています。このため金曜の診療は18:00までとさせていただいております。2013 / 2 / 15 は論文抄読会でテーマは「インプラントのカンチレバー補綴」でした(文献1・文献2)。カンチレバーとは上の写真のインプラントのさし歯ように、片側だけで支える構造で、日本語では「片持ち梁」と言うそうです。
2本のインプラントを埋入するには十分なスペースがない場合に、やむを得ず1本のインプラントに2本分のさし歯を装着することがあります。今回の文献1は、そんなカンチレバー補綴をした28本のインプラントの経過を3年間観察した研究でした。また、この研究ではさし歯を固定しているネジが繰り返し緩むなど、インプラント構造が壊れる前兆があった場合には余分に付いている方のさし歯(ポンティック)を切断することになっていました。3年間の観察期間中、さし歯を固定するネジが繰り返し緩み、ポンティックを切断したインプラントは28本中6本でした。インプラント周囲の骨が大きく吸収したり、インプラントがダメになったものは無かったそうです。すべてのインプラントでカンチレバー補綴がうまく機能したわけではないようですが、どうしても必要な場合にはひとつの選択肢になり得るようです。
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カテゴリー:★【インプラント】, ★【学会・スタディーグループ】, ・ISCT研修会 日時:2013年2月18日