重い歯周病を患う人ほど、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になる確率の高いことが、滋賀県長浜市民約6000人に対する調査でわかった。成人の約8割がかかる「口の生活習慣病」と言われる歯周病とメタボとの関係を一般市民を対象にした大規模調査で明らかにしたのは全国で初めて。17日から広島市で開かれる日本
京都大医学研究科の別所和久教授らが実施。2009~10年度、40歳以上の長浜市民6627人(男性2170人、女性4457人)について歯周病の程度を「0~4」の5段階で評価し、腹囲などによるメタボ診断を行った。
その結果、程度が「4」と最も重い歯周病患者でメタボの割合(男性21%、女性6%)は、歯周病でない人や「1~2」の軽い患者の数値(同16%、同3%)に比べて高かった。メタボになるリスクは、「4」の歯周病の男性で1・3倍、女性で1・5倍になるという。別所教授は、「歯周病で歯を失い、食べ物をしっかりかめないまま取り入れると、満腹感を感じにくい。そのため食べ過ぎてしまうのではないか」という。
歯磨きについても調査し、1日1回以下しかしていない人のメタボの確率(男性23%、女性7%)は、3回以上の場合(同16%、同2%)を上回り、リスクを比べると男性で1・8倍、女性は3・8倍だった。
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