毎月第一水曜日(時々変更があります)はスタディーグループ救歯会の例会に参加しております。月1回、分野を限らず包括的な歯科医療の症例検討会をしています。当日の診療は4:30までとなりますので、患者様にはご迷惑をおかけいたします。
2012/3/7は
1) ブリッジの支台歯としての移植歯の経過
2) 下顎コーヌスクローネ義歯の10年経過症例
3) EichnerC1・インプラントを用いたコーヌスクローネの1症例
というテーマで3人の演者が症例発表をしました。
1) ブリッジの支台歯としての移植歯の経過 は千葉市でご開業の法花堂先生の発表でした。
救歯会の会員から集めた自家歯牙移植のデータが論文としてまとめられ、Journal of Oral Rehabilitationに掲載されました。救歯会会員の吉野浩一先生が会員からアンケートをとって、1990年から2010年に行われた614本の自家歯牙移植について分析されました。論文によると歯根完成歯の移植後の累積生存率は、5年後に90.1%、10年後に70.5%、15年後に55.6%になりました。さらに個別に分析をすると単独で補綴した(さし歯を入れた)移植歯に比べて、移植歯をブリッジの支台に使った場合には生存率が下がるという結果がでました。
今回の法花堂先生の発表はご自身の症例の経過や歯界展望3月号の救歯会の先生方の歯牙移植の症例から、移植歯をブリッジの支台に使っても必ずしも問題が起こるわけではないのではないのだろうかという主旨でした。会場からは、症例発表や雑誌に掲載する症例は経過の良いものが多いが、実態は吉野先生がまとめたデータの通り移植歯をブリッジの支台に使った場合には咬合力の負担が大きくなり生存率が下がるのであろうという意見が出ました。
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カテゴリー:★【学会・スタディーグループ】, ★【書籍】, ・救歯会 日時:2012年3月8日