歯周病の症状 – 中等度
中等度の歯周病の症例を公開しています。
歯周病の症状 – 中等度(歯周炎)
歯肉の腫れ・出血などの炎症に加え、歯から歯肉がはがれ(付着の喪失)その下の骨の吸収が起こっている状態を歯周炎と言います。
健康な状態では歯肉溝とよばれる歯と歯肉の境目は、歯周炎においては病的に深くなり歯周ポケットと名前を変えます。歯周ポケットの中は歯周病原菌の繁殖の場となり、さらに歯周炎が進行しやすくなります。歯を支える骨が吸収するため、症例によっては歯肉の後退や歯の揺れが起こります。
症例
歯肉が後退して歯が長く見え、歯と歯の間にすき間ができています。
レントゲン写真では、歯を支える骨が大きく吸収していることがわかります。
中等度歯周病の治療
ポイント
- 診査(X線検査、ポケット測定、分岐部病変、動揺度の診査など)は軽度歯周病の治療と同様に行います。
- 中等度歯周病の治療では歯みがき指導・歯石除去に加えて、深い歯周ポケット内の歯石除去(SRP:スケーリング・ルートプレーニング)が必要です。
- さらに、再評価検査時に十分な改善が得られていない部位には、深いポケット内の歯石を効果的に除去するため、歯周外科を行うこともあります。
治療の流れ
- 診査・診断
- 基本治療(歯みがき指導・SRP〈スケーリング・ルートプレーニング〉)
- 再評価検査
- 修正治療(歯周外科〈必要な場合〉)
- メインテナンス
治療期間
- 修正治療(歯周外科など)がない場合は、およそ2-3ヶ月
- 複数の部位の歯周外科を行う場合には、1年を超えることもあります。
痛みの有無
SRP、歯周外科は痛みを伴う治療なので、局所麻酔をして行います。
歯周外科とは
基本治療後も歯肉の炎症が持続していて、深い歯周ポケットが存在することがあります。こうした場合には、ポケット内の歯根面に歯石の取り残しがあることがあります。歯肉を切開し歯根面の歯石を確実に目で見て確認し、これを除去するための手術が歯周外科です。(詳しくは歯周外科のページをご参照ください。)
症例①
歯ぐきの腫れを主訴に来院された患者さんです。もともと右上の前歯が1本少なく、左上2番目の歯も細く小さな歯だったため、前歯にすき間がありました。歯周病治療後、矯正と細い歯の補綴(かぶせ物)で審美性を取り戻しました。
治療の流れ
- 基本治療(歯みがき指導・SRP〈スケーリング・ルートプレーニング〉)
- 再評価検査
- 修正治療(歯周外科・矯正・補綴)
- メインテナンス
治療期間
2年10ヶ月
治療前
歯周病治療終了時
矯正・補綴終了時
症例②
歯ぐきからの出血を主訴に来院された患者さんです。基本治療後の再評価検査では良好な改善が見られたため、そのままメインテナンスに入りました。
治療の流れ
- 基本治療(歯みがき指導・SRP〈スケーリング・ルートプレーニング〉)
- 再評価検査
- メインテナンス
治療期間
2ヶ月
治療前
治療後
症例③
歯ぐきの腫れを主訴に来院された患者さんです。奥歯で深く歯周病が進行していたため、2部位で歯周外科を行いました。
治療の流れ
- 基本治療(歯みがき指導・SRP〈スケーリング・ルートプレーニング〉)
- 再評価検査
- 修正治療(歯周外科)
- メインテナンス
治療期間
10ヶ月
治療前
治療後